あなたのブルース、蒸発のブルースを書いた作家たちは、きっと自分の歌を矢吹健が
唄うのを聴いて、椅子から転げ落ちたに違いない。矢吹健の歌の熱さ、それになれてしまうと森進一が物足りなくなってしまうほど。森進一が水の沸騰だとすると、矢吹健は鉄が沸騰しているようなものだ。
僕自身、あまりにも矢吹健の歌唱力がありすぎて、売れなかったと思っている。蒸発のブルース、真っ赤な夜のブルース、ムードが有りすぎて、というか場の空気を一変させるほどの破壊力をもつ歌唱力なのだ。特に蒸発のブルースの、「あなたなしじゃダメー」の「ダ〜」は、聴いた人が後ろに仰け反ってしまうほどのパワー。今まで他の歌手では聴いたことがないね、こんなの。
これからもこんな凄みのある歌手は出てこないだろう。 とにかく熱いオヤジパワーというか熱すぎる狂った獅子のようなオヤジなのだ、矢吹健さんは。
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